営業職の幸福と実績の関係
営業職の幸福度を左右するのは「実績」です。特にアウトバウンドの新規営業は「買おうとは思っていないお客様」を「買いたいお客様」に変容させる必要があり、営業の中でも最難関の一つと言われています。
「この製品を使っても問題が解決できるかどうか分からない」「いきなり高い製品を導入するのは怖い」といったケースなら、「お客様のお悩みと商品の効能がフィットしている点」を示すことで失注する可能性は減らせます。
成果をコントロールする鍵は再現性
提案型の商材はコール受注率が0.4%で、1200件の電話をかけても5件の受注しかないという現実があります。これほどまでにアウトバウンドの新規営業が難しいのは、「買おうとしていないお客様」を相手にしているからです。
これからはアポイントの場面や商談の中でお客様から発せられた「買わない理由」を記録に残すようにしましょう。もし失注しても、「今ご導入いただけないのはどのような理由でしょうか?」「弊社が選ばれなかった理由を率直に教えてください」と確認してみてください。
営業スキルとは「可能性の見える化」
営業パーソンがスキルとして磨く必要があるのは「可能性の見える化」です。商談を通して、その商品を導入する「重要性」と「緊急性」をお客様に発見してもらわなくてはいけません。
営業パーソンが普段から頭の中に資料としてストックしておくべきデータは「顧客事例」です。お客様は期待や予想といった「実態のないもの」に対して契約するわけです。当然、不安やリスクを考えます。そうした時に顧客事例はお客様の意思決定を強く後押ししてくれます。
第三者の事例をもとに「御社でも似たようなことはありませんか?」と質問を展開すると不思議と相手の受け取り方が変わります。
商談のリードタイムとプロセス改善
商談開始から受注までの期間(リードタイム)は案件ごとにプロセスを細分化して逐一修正を図っていくことが成功への近道です。
新規営業で圧倒的に多いのは「買う予定がないお客様」に営業するケースです。営業する上で重要なのはお客様が価値と感じることを確かめ、「どこまでも価値を満たす」提案をすること。
解決すべき課題や課題に紐づく「価値」を示すことができるかどうかが重要です。お客様の状態をリサーチし、問いや示唆を与えて新たな課題を発見・設定する技術はコンサルタントに求められる能力そのものです。
商品の基本的な機能や特徴、そして実際にお客様が利用して便利になった活用事例や成功パターンを完璧に言えるようにならなくてはいけません。
社内コネクションの重要性
成果をコントロールするためには、いい仕事を任されるように信用で結ばれた社内コネクションを築かなければなりません。社内営業は成果を生むための大きなファクターであり、「いい案件を任される状態を形成しておく」必要があります。
お客様と向き合う以上は「自分が最高のセールスパーソン(課題解決パートナー)」だという自覚を持って、営業のステージに上がるようにしましょう。
仮説と根拠をもとに、意味のある数や量を増やして営業活動を通して自分の手法を確かめている営業パーソンは、組織から課せられた目標よりも高い数値を自分に課し、それを具体的な行動に落とし込んで計画を立てています。
意思決定者へのアプローチ
悩みがしっかり聞けている一般社員とのアポイントよりも、情報を何も聞けていない上位役職者との商談に勝機があります。ビジネスを行う上でチャレンジをしている役職者は必ず課題を持っており、その課題の方が経営にインパクトのある提案に繋がります。
アウトバウンドでの新規営業を行う場合、接触の難易度が高まったとしても、経営の意思決定者やそこに近いポジションにいるキーパーソンに接触し、経営層が持つ課題を特定することにこだわった方がいいでしょう。
新規営業では、決裁者・意思決定者の課題に迫れるかどうかが勝敗を分けるポイントです。
探客力とタイミングの重要性
どんなに優れた商談スキルを持っていても買ってくれないお客様は必ず存在します。大切なことはニーズのあるお客様を探すこと、すなわち「探客力」です。そして、ニーズのあるタイミングで営業をすることが成果に直結します。
技術力があっても、間違ったターゲットに営業していては成果は出ません。重要なのは市場の動向を読み、リアルなニーズを持つ業界にフォーカスすることです。
DISCスタイル別の対応
営業相手の性格スタイルによって、対応方法も変えるべきです。
- Dスタイル:結論ファースト。余計な説明は不要。
- iスタイル:会話重視。感情に寄り添うコミュニケーション。
- Sスタイル:不安を取り除き、安心感を与える。
- Cスタイル:論理的で簡潔。無駄な会話を避ける。
ファクトファインディングとニーズの可視化
顧客のニーズが顕在化していないケースも多いため、課題を「一緒に見つける」ファクトファインディングの姿勢が重要です。近しいエピソードを示すことで、相手の内在的な問題に気づいてもらえるようにしましょう。
成果を引き寄せるプレゼンテーション術
プレゼンでは、「強弱」や「リズム」「身振り」など、非言語的な要素も重要です。論理と情理をバランスよく取り入れることで、相手の心に刺さる提案が可能になります。
「指名枠」を獲得する営業へ
お客様にとっての「指名枠」になることこそ、営業の究極のアドバンテージです。信頼され、困ったら真っ先に頼られる存在を目指しましょう。
営業からカスタマーサクセスへ
売って終わりではなく、売ってからが本番です。顧客が成功体験を得てリピートや紹介につながるよう、提案は常にカスタマーサクセスを意識して行いましょう。